資産運用入門
資産運用は必要ですか?
『夢のリタイア生活は幻想である場合が多い』
『夢のリタイア生活は幻想である場合が多い』
大手企業の退職金が平均2350万円(上場企業・経団連)ですが、この資金額で老後の生活を十分に支えることができるのでしょうか。日本では平均寿命が伸びていることなどを考慮すると疑問が残ります(2015年平均寿命 厚生労働省:男性80.79歳、女性87.05歳)。夢であった老後の海外旅行や必要な住宅リフォームでの出費等を考えると引退後の備えは十分確保したいものですね。
ちなみに、65歳から貯蓄2300万円を毎月13万円(夫婦2人ゆとりある生活に必要な資金は月額35万円 - 厚生年金がある夫婦2人の年金受給額22万円 =不足分13万円)ずつ取り崩していった場合には約15年で底をついてしまいます。80歳以降は年金のみの生活ということでカツカツの生活となります。平均寿命で死ねればいいですが、100歳まで生きた場合を想像してください(恐怖)。資産運用で生活費の一部を補填できたとすると、貯蓄が底をつくまでの期間を延ばすことができるのです。
『いやまてよ。よく考えてみれば。私の今働いている企業は大手企業? だっけ。。。』
経済産業省の集計によると、日本には約421万の企業が存在しますが、そのうち大企業は1.2万社と全体に占める割合は0.3%となっています。では残りの中小企業はといいますと、企業数は432.6万社で全体に占める割合は99.7%となります。ほとんどの人は中小企業にお勤めということです。
■中小企業の定義(経済産業省)
製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
(注)日本銀行の日銀短観では大企業の定義は資本金10億円以上
では中小企業の退職金はいくらでしょうか。中小企業の退職金は1300万~1800万円となっており、65歳から貯蓄1300~1800万円を毎月13万円ずつ取り崩していった場合には約8~12年で底をついてしまいます。
『資産運用に真剣に取り組まなければ。。。手遅れになることも』
引退後の生活資金を無理なく確保するには、早期に資産運用計画を立てることが重要といえます。資産運用を可能な限り早く始めれば、運用による損失を抑え資産(アセット)を増やすことができます。この『増やす』を可能にするのが複利運用といえます。複利運用は、一定期間の受け取り利息を元本(最初に投下した資金)に再投資することを繰り返すことにより、『お金』が『お金』を生んでいくという究極のサイクルを生み出します。複利運用からベネフィットを享受するには資産運用を開始する時期が早ければ早いほどより効果的といえます。また、早期に資産運用を始めることにより、投資する先(アセットクラス)を分散して長期運用することで、リスクを軽減し、より安定的な資産運用を可能にします。ライフサイクルコストを視野に入れると同時に、不慮の事故や病気に備えるためにも、資産運用を真剣に考える事が重要といえるでしょう。
ライフサイクルを考えた時、社会人になってから退職するまで~、そして人生を終えるまで~、いくつもの必要不可欠なライフサイクルコストが存在します。若いうちから、そのコスト(=出費)を知っているのと知らないのとでは、準備段階(20代~)から大きな差が出てしまいます。なぜなら、若手のサラリーマンは十分な手取り給与が貰えるわけではなく、コストを考慮すると月次給与が入金された段階ですでにマイナスになる月もあるということを理解する必要があります(多くの人が年2回の賞与で穴埋めする場合が多い)。
結論を言えば若い頃は十分に遊べるお金は稼げていないということです。若い頃から無駄な支出を可能な限り減らし、余剰金を貯蓄にまわし将来に備え得ることが重要といえます。
世の中には草食系が悪いという風潮がありますが、これは現代の若者が人生を生き抜くすべを身に付けていることのあらわれでもあるのです。日本経済はもう高度経済成長下にはないのです。衰退経済ともいえる経済環境下で生きているのです。